カードをめくってお題に答える8冊の本で「タコ」紹介
1冊目
雲と風とー伝教大師 最澄の生涯
永井路子 著 / 中公文庫
日本天台宗を開いた最澄の生涯を描いている。未完成であることの素晴らしさ。日本天台宗から法然、親鸞、一遍、栄西、道元、日蓮が生まれた。完璧な空海の真言宗からは鎌倉新仏教は生まれなかった。
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- 13 | 9784122017153
2冊目
黒田杏子句集成
黒田杏子 著 / 角川書店
黒田杏子の第1句集から第4句集までと別巻索引の5巻本。師である黒田杏子の前半生の句業が分かる。黒田先生が俳誌「藍生(あおい)」を創刊したとき、私はまだ20代だった。令和5年先生が亡くなるまで、33年その下で学んだ。最も異端の弟子だという自負がある。
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- 13 | 9784048763011
3冊目
名前探しの放課後(上・下)
辻村深月 著 / 講談社
辻村深月の紡ぎ出す世界の不思議な空気感が好きだ。何か懐かしい感じがする。自分の青春時代に、こんなことがあった気がするとかこんなことがあって欲しかったとか、そんな気にさせられる。1つの謎があかされたら、まだ次の謎があり、さらにその次の謎があるという、謎の重層構造も気持ちいい。
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- 13 | 9784062145060
4冊目
ジャン・クリストフ(全4巻)
ロマン・ロラン 著 / 新庄嘉章 訳 / 新潮社
2回チャレンジして2回とも、読了できなかった。中学生の時、好きだった女の子が読んでいた本で、その時と、会社を退職して教員採用試験を受けるために浪人していたときとチャレンジしたが、読了できなかった。当時の中学生はすごい。いまだったら、高校生や大学生でも手を出さないだろう。
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- 13 | 9784102128015
5冊目
蛇
赤尾兜子 著 / 俳句研究社
今のところ5冊持っている。昭和34年の本だ。私の生まれる前だ。「前衛の旗手」と言われた俳人赤尾兜子の第1句集。その鮮烈な俳句は、他の追随を許さない。私が高校を卒業した3月に、亡くなった。1度もお目にかかったことがない。
6冊目
見果てぬ夢「明石原人」 考古学者直良信夫の生涯
直良三樹子 著 / 時事通信社
昭和6年4月18日、明石の西八木海岸で明石人骨を発見した直良信夫のドラマチックな生涯を娘の直良三樹子さんが描いている。娘でなければ書けなかった直良信夫・音夫妻の真実の姿に感銘を受けた。
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- 13 | 9784788795345
7冊目
句集蕗子
高柳重信 著 / 東京太陽系社
昭和25年発行。限定120部の本である。これも句集である。独特の多行書の形式の俳句を書いた高柳重信の句集である。「俳句資料館」に来館した人には、まず見てもらいたい1冊である。
8冊目
国盗り物語(全4巻)
司馬遼太郎 著 / 新潮文庫
講師時代を含めると37年ほど県立高校で日本史を教えてきた。日本史に興味を持つきっかけになったのがこの本である。小学校5年生だった時に、NHKの大河ドラマが「国盗り物語」で、その原作本だった。難しかったが面白かった。
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- 13 | 9784101152042
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