カードをめくってお題に答える8冊の本で「タコ」紹介

1冊目
小公女(少年少女世界文学全集 13 アメリカ編3)★
フランシス・バーネット 作 / 村岡花子 訳 / 伊藤整 訳 / 講談社
子どもの頃、本屋さんの一軒もない山の中で育った。町の本屋さんが当時最新刊の「少年少女世界文学全集」を毎月一冊ずつ届けてくれるのを心待ちにしていた。すべての漢字にフリガナが付いていて、小学生の私にも読むことができた。第3回配本のこの本では、まだ見ぬイギリスの少女たちに憧れ、幼いながら想像の翼を広げたものである。今読み返しても伊藤整の訳文は端正で魅力的だ。
2冊目
源氏物語明石のうへのおやすみしあと
義根益美 著 / ペンコム
対面朗読でリクエストされて、読んだ本。明石に住みながら、知らないことがたくさんあることに気づかされる。第五代城主、松平忠国さんの深謀遠慮には驚き、感動する。膨大な資料を丁寧に読み込み、推論を立て、証明していく筋道は読んでいてワクワクする。明石の地への愛着が湧く。明石市民の方にぜひプレゼントしたい。
3冊目
ブレイクショットの軌跡
逢坂冬馬 著 / 早川書房
図書館で半年待って、やっと手元に届いた。2週間で返却しなければならない。分厚い本を読み切れるか自信がなかったが、読み始めると止まらなくなった。3日間で一気読み。現代に生きる人々(特に若者たち)が活写されていて、惹きこまれた。そしてラスト、まさに活字の本ならではの仕掛けに思わずうならされる。読書の醍醐味を堪能。深い余韻に浸る至福の時を味わう。
4冊目
師弟 笑福亭鶴瓶からもらった言葉
笑福亭銀瓶 著 / 西日本出版社
銀瓶さんのファンであるリスナーさんからのリクエストで、この本に出会った。笑福亭鶴瓶師匠との絆、落語という芸能の魅力はもちろんのこと、生い立ち、家族愛、日韓の言語の比較など、多くのことが誠実に綴られている。約1年がかりの音訳を通して、常に生き方を模索し続ける銀瓶さんの姿に魅了された。
5冊目
たいまつ 詞集 人間に関する断章604★
むのたけじ 著 / 三省堂
高校時代、不登校になった友人が秋田県まで、むのたけじさんに会いに行った。生きることについて模索し悩んでいた彼は、むのさんの話を聴いて元気になって帰って来た。彼が携えて帰ったこの詞集『たいまつ』を友人たちとともに一緒に読みこんだ。高校卒業後も、長く人生の指針として大切にしてきた詞の数々がここに詰まっている。
6冊目
国宝 上 青春篇
吉田修一 著 / 朝日新聞出版
今「読んでいる」といっても黙読ではない。リスナーさんからのリクエストでメンバーが音訳したものを校正しながらの聴読である。標準アクセントで読む地の文に、長崎、大阪、東京の方言が加わる。義太夫、歌舞伎のせりふも出てくる。音訳者泣かせの本であるが、聴いていて実に楽しい。今、上巻が終わったところで、下巻の音訳が出来上がるのを心待ちにしている。役得である。
7冊目
朝の読書が奇跡を生んだ
船橋学園読書教育研究会 編著 / 高文研
阪神淡路大震災の年の春、書店の店頭でこの本に出会った。以来30年、「朝の読書」の活動に今もささやかながら携わっている。「朝の読書がなかったら、一生本を読んでいなかった」「本がこんなに面白いとは知らなかった」という高校生たちの声が私のなかで響き続けている。本を読む場所と時間を設定すること、自分で選んだ好きな本を読むことが大事等、大切なことを教えてもらった一冊。
8冊目
ぼくの命は言葉とともにある
福島智 著 / 致知出版社
なぜ読書が大切なのか、長年、朝の読書に携わってきて思うのは、やはり自分のことばの獲得ということだ。著者は小学生のときに視覚を、高校時代に聴覚を失うが「ことばがあれば思索ができる」と希望を失わず、研究に励み、東京大学の教授となる。ユーモアのある語り口が魅力だ。この本にも音訳の校正をするなかで出会った。まさに一言一句、聴き洩らさないように丁寧に読み、内容が心に染み込んだ。
★マークのある本は、版元品切れで入手不可となります。別判型で流通しているものもあります。そのほかの本に関しても手に入りづらい本もございます。









